枚岡神社にある「姥ヶ池」ではその昔、老婆が身投げした名前の由来にもなっている池で雨の日になると老婆の霊が現れると言われている。
姥が池
この池は昔から「姥が池」と呼ばれていました。それは今
をさかのぼること約六百年前の出来事「悲しい老婆の身投
げ伝説」に由来しています。
その伝説とは、枚岡神社の御神燈の油が毎夜なくなり、火
が次から次へと消えていました。
妖怪変化の仕業と不気味がられていましたが、その正体をつきとめると、生活に困っ
ていた老婆がこの油を盗んでは売っていたのでした。
そのわけを知り、気の毒に思って老婆を釈放してやりました。しかし、人の噂が広まっていたたまれなくなり、老婆は池に身を投げてしまいました。村人は明神の罰が当たったとして誰も同情しませんでした。
その後、雨の晩になると池の付近に青白い炎が現れ、村人を悩ましたと伝えられています。
この物語は、井原西鶴の短編話など多くの俳諧、戯曲に「姥が池の姥が火」として登場しています。また、「和漢三才図会」「河内名所鑑」などにも記載されています。
平成23年3月東大阪市
大阪府東大阪市出雲井町7