桃畑の一角に、石の地蔵が寄せ集められたような塚がある。これが「おむつ」という女性を祀った塚で、人魂が見えると噂される心霊スポットとなっている。
その昔、おむつを我が物にしようとしていた庄屋が、おむつに迫るが拒否され続けていた。庄屋はおむつに対して軟禁してから拷問し、最後にはムカデや毒蛇と一緒に生き埋めにしたという。
おむつが帰ってこないのを案じた母親は庄屋の屋敷へおもむき、そこで無礼があって手討ちになったと知らされる。
しかし事の真相を悟った母親は、娘の埋められた場所へ行って一掴みの栗の実を撒き「庄屋が憎ければこの栗の数だけ祟れ」と呪いの言葉を吐いて絶命した。
それ以降、地主は呪われたように家人や身内を斬り殺し、狂い死んでしまった。その後、おむつの呪いを恐れた子孫が供養の塚を建てたと言われている。
山梨県山梨市一町田中875−9