おいてけ掘(置行堀)

ある日仲の良い町人たちが錦糸町あたりの堀で釣りをしていた。その日は非常によく釣れ夕暮れになり気を良くして帰ろうとすると、堀の中から「置いていけぇ・・・置いてけぇ・・・」という声が聞こえて来た。

怖ろしくなり家に駆けかえり恐る恐る魚籠を覗いてみると、あれほど釣れた魚が一匹も入っていなかったという。

他にもいろいろな話になっており

現場に魚籠を捨てて逃げ帰り、暫くして仲間と一緒に現場に戻ったら魚籠の中は空だった

自分はすぐに魚籠を堀に投げて逃げたが、友人は魚籠を持ったまま逃げようとしたところ、水の中から手が伸びてきて友人を堀に引きずり込んで殺してしまった

釣り人以外にも、魚を持って堀を通りかかった人が魚を奪われた

声を無視していると金縛りに遭った

逃げた先でのっぺらぼうなどのさらなる怪異に遭遇した

この「置いてけぇ」と言っていた者は河童説と狸だという説が有るようだがはっきりはしていない。江戸時代の頃の本所付近は水路が多く、魚がよく釣れていたという。

埼玉県の川越地方にも「置いてけ堀」という場所があり、やはり魚が多く釣れるにもかかわらず、帰ろうとすると「置いてけ、置いてけ」との声が魚を返すまで続いたという。

東京都江東区亀戸1丁目12

地域 : 関東地方 | 東京都

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著者: 管理人

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