峠道で人魂や亡くなった人の灯すあかりのような光が現れるという噂があり、以前の峠には「光を見たら目を合わせないでください」といったような看板が設置されていたそうです。
もし、現れた光を凝視したり、光の中にある『何か』と目を合わせてしまうと、事故を起こしたり、体調を崩して寝込んでしまうと言われています。
他にも夜間に女性の霊が現れる、祈りの滝の音に混じってすすり泣く女性の声が聞こえる、じっとこちらを見つめてるような霊が現れる、滝の前で写真を撮ると白い人影が写るとの話も有るようです。
心霊現象の噂として江戸時代に大和(奈良側)と河内(大阪側)の水争いがあり、多くの死者が出たという話しや、トンネル工事時にも人骨が多数出土したとの話もあるようです。
水越峠の基本情報
大阪府南河内郡千早赤阪村(一部河南町)と奈良県御所市との境界に位置する、金剛山地の重要な峠です。「水越(みずこし)」という名前の通り、この峠は「人工的に水を越えさせた」という非常に興味深い歴史を持っています。
大阪側も後に開墾が進んで水が足りなくなると、「本来はうちへ流れるはずの水だ」と気づき、奈良側が作った堰を破壊。これに怒った奈良側と大阪側の農民が激しく対立しました。
特に江戸時代の中期1701年(元禄14年)には、大阪側の農民1,000人以上が鍬や鎌を手に決死の覚悟で集結するほどの大暴動へ発展。
最終的には幕府(京都奉行所)による裁判へ持ち込まれ、「古くから奈良側が引水していた既成事実」が認められて奈良側の全面勝訴となりました。この裁定がきっかけで、現在の府県境のラインも確定したと言われています。
現在は国道309号線の「水越トンネル」が開通したため、かつての峠道は旧道(現在は主に登山客の駐車場やハイキングコースとして利用)となっています。
北側にある大和葛城山(959m)と、南側にある金剛山(1,112m)という、関西を代表する2つの名山のちょうど谷間に位置しています(標高約516m)。 東西に走る「ダイヤモンドトレール(通称:ダイトレ)」という有名な長距離自然歩道(ハイキングコース)がこの峠を横切っており、金剛山や葛城山へ挑む登山者にとっての重要な拠点・登山口となっています。
昭和〜平成にかけての峠ブームの時代、水越峠の旧道はローリング族(走り屋)が集まるスポットでもありました。
1997年(平成9年)に山体を貫通させた「水越トンネル(全長2,370m)」が開通。
これによって大阪〜奈良間のアクセスは劇的に向上し、かつての険しい峠越えはわずか数分で通り抜けられるようになりました。
祈りの滝の基本情報
祈りの滝の歴史は非常に古く、飛鳥時代から奈良時代に活動した伝説的な呪術師・山岳信仰の開祖である役小角(役行者)が、金剛山や葛城山で修行する際にこの滝に打たれ、念力を授かるよう祈願したという伝承が残っています。これが「祈りの滝」という名前の由来です。
滝のすぐ傍らには、役小角の石像や不動明王が祀られた祠があり、今でも信仰の対象として大切に守られています。どこか厳かで神秘的な雰囲気が漂うのは、この長い歴史によるものです。
祈りの滝の近く(駐車場近く)にボーリングで地下約500mから汲み上げた湧水があり、山からの湧き水を安全に汲むことができるように整備された給水所(蛇口)があります。水を持ち帰る人も多く、ポリタンクを持参する人も見られます。
奈良県では、地域の人々に親しまれ、自然環境や歴史文化と深く関わってきた水を1992年(平成4年)「やまとの水」31地点のひとつに選ばれた名水として知られています。
週末や日中になると、近隣の地域だけでなく大阪や和歌山などからも、大きなポリタンクやペットボトルをたくさん持った人々が車で乗り付け、行列ができることも珍しくありません。コーヒーや料理に使うと味が引き立つと評判です。
水越峠:大阪府南河内郡千早赤阪村水分
祈りの滝:奈良県御所市関屋
